『イタリアでウナギ三昧』の巻(2)

アングィッラ・マリナータ anguilla marinata

コマッキオで食べたウナギ料理

日本人には理解しがたい?イタリアのウナギ料理の数々。

アングィッラ・マリナータ(ウナギのマリネ)
ウナギのマリネっていう言葉じゃ料理の姿を思い浮かべるのは、無理だった。
味は…なかなか表現が難しい。少しだけウナギの香りと味がするハーブが効いた酢漬け、かな。さっぱいしていて、食べ易かったです。

リゾット・アッラングィッラ(ウナギのリゾット)
イタリアの米倉といわれるポー川流域なので、お米料理を注文。がぁ、ウナウナ感ほぼ無し。細かく切ったウナギを見つけないと何のリゾットかわからないくらいお米とトマトの味でした。イタリアのウナギって出汁でないの??

タリオリーニ・アッラングィッラ(ウナギのタリオリーニ)
いかにも手打ちっぽくて、幅がバラバラ。ひょっとして賄い用?って思うくらい揃っていなくてびっくり。一口食べると、二口三口と進んでしまうほど美味。ソースにウナギの味と香りが出ていて抜群に美味しい。リゾットには出汁が出ずに、パスタには出汁が出ているのは何故???

アングィッラ・イン・ウミド・アッルゥーゾ・ディ・コマッキオ (コマッキオ風ウナギの煮込み)
ブツ切りにしたウナギを、玉ねぎやトマトソース、ビネガーと一緒に煮込む料理。ウナギの脂がトマトソースに溶け込んだ濃厚なんだけど、さっぱりした何とも不思議な味。生まれてから〇十年、出会ったことがない味。トマトの酸とは違う「ヴィネガーの効いた」トマトソースは好き嫌いがはっきりしそうな感じ。ちなみに、、、私はちょっと苦手な味でした(決して美味しくないわけではありません)。
昔フランスでウナギの赤ワイン煮を食べたときには、脂っぽくて「一口でもういらない」って感じだったけど、それとはまったく違う印象で違う魚を食べている感じ。お国変わればウナギの味も変わる…。
ちなみに、ウナギを調理するときにオリーブオイルは使わないそうです。ウナギ自体の脂との相性が悪くて料理が不味くなってしまうからだとのことですが、オリーブオイル使用のものを食べていないので、真偽のほどは不明です。

アングィッラ・アイ・フェッリ(ウナギの炭焼き)
ウナギを開いて骨をとったら頭から尾までグリル。レモンと塩だけで食べるというシンプルさ。前菜のマリネを食べていた時から、奥の厨房で焼いている香りがしていたのでしっかりと脂が落ちていて(何なら落ち過ぎでしょう、くらい)かといって日本のウナギの白焼きとも違う(日本のウナギの香りはほぼない)さっぱりしたお味。ちなみに一切れが鯵の干物程の大きさがあった記憶が。実は、炭焼きが来た頃には、お腹がはち切れそう(でも、全体的に量は減らしてもらったはずなんだけど)で意識が少し朦朧としていて、この辺になると味の記憶もかなり曖昧です。
(2019年11月訪問)

イタリア ウナギこぼれ話

イタリア語でウナギは「anguilla アングィッラ」もしくは「capitone カピトーネ」。カピトーネは成長した大きいウナギのこと。コマッキオのウナギはアングィッラなので、中くらい?いや、十分に大きかったです。日本のウナギより肉厚だけど、全般的に泥臭さもなく脂っぽくもなく、予想よりさっぱりした味でした。

ウンブリア州ペルージャのウナギのお菓子

イタリアではウナギは長寿の象徴として、クリスマス頃に食べたりウナギの形のお菓子(たいていとぐろを巻いている)を食べたりします。アーモンドプードル系かリンゴ・チョコレートがフィリングになっている焼き菓子(パンに近いところもあります)です。最もお菓子は商業化して年中作っているところもありますが。 
コマッキオでも、お土産用にウナギのクッキーがあると聞いて楽しみにしていたのですがシーズンオフでお土産物屋さんもクローズ。食べることが出来ないと思いは募るもので…ウナギクッキーに今でも後ろ髪引かれております。
旅って、人も食べ物も一期一会なんだなぁっていつも思うのです。